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ゴマに含まれる銅とセサミンの関係

ゴマの銅とセサミンはどのように体に作用するの?

ゴマは古くから「食べる丸薬」とも呼ばれ、様々な栄養素を凝縮していることで知られています。
最近では生活習慣病の予防や、アンチエイジングに効果を発揮するセサミンが発見されたことからも、手軽に摂れる健康食品として再び注目を集めています。

ゴマはカルシウムや鉄などといった必須ミネラル類の含有量が多いのですが、銅は豊富と言われるミネラルの中でも群を抜いて含有量が豊富です。
一方、カルシウムや鉄の役割は知っていても、銅の役割は知らない方が多いのではないでしょうか?
今回は、ゴマに含まれる銅についてお話します。

ゴマの銅の含有量

ゴマは銅の含有量が豊富で、100gあたり1.66mg含有しています。
これは成人男子に推奨される摂取量の166%に相当する高含有量です。

銅とは

体内に存在する銅の量

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成人の体内には、銅が約80mg存在しています。
骨や骨格筋に約50%、肝臓に約10%、他は血液や脳などの器官に分布しています。

銅不足で起こる症状

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銅は普通の食事をしている限り、日本人が不足する栄養素ではありません。
しかし、食事の量が少なかったり、消化器系で栄養素の吸収不良などを起こして銅が不足すると、知能低下、中枢神経障害、貧血、免疫系の低下、毛髪の色素脱失、コレステロールや糖代謝※1異常を引き起こします。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

銅の過剰摂取は禁物

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銅を慢性的に過剰摂取すると肝臓や脳、角膜に蓄積し、肝機能障害、神経障害、関節障害などを引き起こします。
また、銅を過剰摂取すると、小腸で鉄や亜鉛の吸収と競合してしまうため、日本人の食生活で不足しがちな鉄や亜鉛の補給が阻害されます。
そのため、摂取量に上限が設けられており、1日の耐容量は男女とも10mgです。

銅の役割

銅は、体内で約10種類の酵素の活性に関与しています。
関与している酵素の数こそ少ないものの、これらの酵素は私たちの生命の維持に重要な役割を担うものばかりです。
銅が関与する主な酵素の役割は、以下の通りです。

エネルギーの生産

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銅は、細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアの呼吸を補助する、シトクロムCオキシダーゼの構成成分です。

鉄の代謝

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鉄でヘモグロビンを合成する際に、鉄を造血幹細胞に運搬するセルロプラスミンの材料です。
そのため、銅が不足するとヘモグロビンを十分に作れず、貧血になります。

細胞マトリクスの成熟

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コラーゲンの合成に必要な酵素である 、リシルオキシダーゼ の構成成分です。

神経伝達物質の生産

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ノルアドレナリンの生産に関与する、カテコールアミン産生酵素の構成成分です。

活性酸素の除去

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赤血球の中で抗酸化物質として作用する、SOD(スーパオキシドディスムターゼ)の原料となります。

髪や肌の色素の生産

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メラニン色素を合成する際に必要な、チロシナーゼの構成成分です。

セサミンと銅の関係

セサミンはゴマ全体の僅か1%に満たない栄養素で、ゴマリグナンと呼ばれるポリフェノール性の成分の一種です。
セサミンは油に溶ける脂溶性の抗酸化物質と、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が似た植物エストロゲンの作用を併せ持っています。
セサミンは、銅を構成成分とする酵素と密接な関係があります。
セサミンと銅がどのような関連があるのか、詳しく見てみましょう。

セサミンと銅は肝臓で作用する

銅が関係する酵素は肝臓で生産される

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銅が関係するシトクロムCオキシダーゼ、セルロプラスミン、リシルオキシダーゼ、SOD、チロシナーゼなど、ほとんどの酵素が肝臓で生産されます。
肝臓は「生体の化学工場」と呼ばれ、酵素やたんぱく質の生産以外に、エネルギーの生産、解毒、鉄の貯蔵など、1つの臓器で様々な役割を担う器官です。
肝臓が加齢とともに代謝機能が低下すると、銅を構成成分とする酵素の生産も低下し、体の機能が保てなくなります。

肝臓は活性酸素を生産する

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肝臓の重要な役割の一つに、エネルギーの生産があります。
エネルギーの生産は、肝臓の細胞内にあるミトコンドリアで行われます。
ミトコンドリアは栄養素と酸素を取り込むことでエネルギーを生産しますが、その副産物として活性酸素が発生します。
活性酸素は電子が欠損した物質として不安定な酸素で、他の物質と結合することで物質としての安定化を図ります。
そのため、活性酸素が肝臓の組織と結合すると変質し、肝機能が低下してしまいます。

また、肝臓に貯蔵している鉄からも活性酸素が発生するので、人体全体で発生する活性酸素の、実に8割が肝臓で生産されていると言われています。

肝臓は抗酸化物質で活性酸素を除去する

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肝臓は自ら生み出した活性酸素から自らの機能を守るために、摂取した栄養素を用いて抗酸化物質を生産します。
体内で生産される抗酸化物質はグルタチオンやカタラーゼ、尿酸などがあり、銅を構成成分とするSOD、セルロプラスミンは抗酸化物質としても作用します。
また、栄養素として抗酸化作用のあるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの必須栄養素や、ポリフェノールやフラボノイドといった植物特有の成分も抗酸化物質として作用します。

しかし、肝臓の代謝機能が低下すると、体内で生産される抗酸化物質の量が低下し、活性酸素の害で肝臓の機能がさらに低下します。
また、人の髪に色を与える際に必要なチロシナーゼは活性酸素で破壊され、白髪の原因になります。
加齢により体内で生産が不足する抗酸化物質を補うため、食物で抗酸化作用を持つ栄養素を補う必要があります。

セサミンは肝臓で抗酸化作用を発揮

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セサミンは、そのままでは抗酸化物質してほとんど作用しません。
セサミンは小腸で吸収されると肝臓に運ばれ、そこでカテコール体に代謝されて抗酸化物質として活性化します。
他の抗酸化物質が血液で肝臓に運ばれる前に活性酸素の除去に使われる可能性があるのに対し、セサミンは肝臓に入ってから抗酸化物質として作用するので、それだけ肝臓での抗酸化作用が強くなります。

また、セサミンは肝臓で生産されるグルタチオンや、肝臓をはじめ体の様々な場所で抗酸化物質として作用するビタミンEの効果を活性化する作用もあります。
その結果、活性酸素による肝機能の低下が抑制され、銅を構成成分とする酵素の生産も改善されるので、エネルギー生産やコラーゲンの生成など、体の機能の維持ができるようになります。

肝臓で抗酸化物質として作用するセサミンや、抗酸化物質の原料となる銅を豊富に含有するゴマは、肝臓や体の機能の維持にとても有効な食品です。

セサミンと銅の作用で血中コレステロールの低下を促進

詳しい説明(クリックで展開)

加齢で肝機能が低下すると、エネルギーの代謝能力も低下するので肝臓に脂肪が蓄積しやすくなります。
肝臓で脂肪が増えると、動脈硬化の原因となり、肝臓で生産されるコレステロールの分泌が増えます。
銅を構成成分とするシトクロムCオキシダーゼは、ミトコンドリアでエネルギーを生産する際に作用する酵素です。糖質や脂質をエネルギーに代謝し、脂肪の蓄積を予防することで、肝臓で生産されるコレステロールの量を減らします。

一方、セサミンはコレステロールの小腸での吸収を阻害すると共に、肝臓でのコレステロールの合成も阻害します。
そのため、セサミンと銅を含有するゴマを摂取すると、血中コレステロールの低下を促進し、動脈硬化などの生活習慣病を予防できます。

まとめ

ゴマに豊富な必須ミネラルの銅は、体の機能を保つために必要な酵素の構成物質となる栄養素です。
銅を構成成分とする酵素の殆どは肝臓で生産されるので、加齢で肝機能が衰えるとこれらの酵素の生産量が低下して、体全体の機能低下を引き起こします。
肝機能低下の原因の一つが、肝臓で発生する活性酸素で、セサミンや銅を原料とするセルロプラスミンとSODは抗酸化物質として活性酸素の除去に使用されます。

また、銅を構成物質とするシトクロムCオキシダーゼは肝臓の脂肪を減らし、セサミンが肝臓でコレステロールの合成を阻害するので、血中コレステロールを減らし、動脈硬化などの生活習慣病のリスクも軽減します。
セサミンと銅を豊富に含有するゴマは、肝機能や体の機能の維持にとても有用な、手軽に摂れる健康食品です。

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